CAD/CAM冠のお話

今年の歯科界の最大のトピックであるCAD/CAM冠
ネットの検索でも高頻度の検索キーワードです

そこで、そのキーワードにお答えしていきたいと思います




1)価格
 初診料、再診料、管理料、指導料、歯周病治療料など、お支払い時に加算されるのかどうか、神経の生きている歯か、神経を取った歯か、色々なファクターで価格が変わります。

ですので、神経を取った歯で、土台を入れ終わった状態と仮定して
CAD/CAM冠の型削りからの点数をお知らせいたしますね


CAD/CAM冠形成料 636点
金属土台加算      30点(樹脂系の場合はありません)
型取り           62点
かみ合わせ取り     16点

CAD/CAM冠      1200点
材料代           484点
セット料           90点
接着剤料          17点
CAD/CAM冠の管理料 100点

合計で2635点ですので、3割負担の方は7910円となります

ただし、これには上記の通り初・再診料や歯科の管理料などが含まれませんので、
この価格に1000~3000円はプラスされるものとお考え下さいね


2)CAD/CAM冠の耐久性
 CAD/CAM冠はハイブリッドレジンを使用しています
ですので、高度は結構あります
松風ブロックHCはピッカース硬度190
GCグラディアブロックは208
GCセラスマートは230~240

金銀パラジウム合金では285

ですので、硬さは銀歯に肉薄してきています
硬さは十分ですが、必要な厚みの確保ができないと割れます

壊れにくさで言えば銀歯はピカイチです
ですが、その硬さ故に歯の崩壊を招くとも言われております

3)色合いは?
 CAD/CAM冠はコンピュータで削りだして作りますので、細かい細工は出来ません
そのため、金属の土台の場合は金属色が、樹脂系の土台の場合はその中に仕込む金属のボルトの色がうっすら見えることがあります
色調は全体的に単一色です
ただ、現在の前歯の様に金属を使わない分、光を通す透明感があり、単色である色調をカバーしています


4)ピッタリ感は?
 ピッタリ冠の事を適合性と言いますが、適合性は悪くはないと思って下さい
模型の処理が正しければ、CAD/CAM冠の適合精度は高くなります
模型がキレイに処理できるには、模型作り、型取り、型削りがきっちり出来ていないと合いません
ですから、歯科医師、歯科技工士の腕次第ですf^^;

5)外れやすさ
 外れやすさは銀歯に比べあるようです
その原因としては
・型削りの時、角度を付けすぎた
・土台が低い
・セメントライン用スペーサーの厚みが厚すぎた
・セラミックプライマーでの処理が不足した
・模型の石膏がCAD/CAM冠に付着した
・咬合調整が甘かった
・接着剤が弱かった

通常は上記ですが、CAD/CAM冠ならではの外れる原因があります
それは
「土台のたわみ方とCAD/CAM冠のたわみ方の違い」

これは金属の土台でよく起こります
ですから、出来るだけ樹脂系の土台を入れる様にしましょう!

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